葬式での服装マナーは何となく知っているけれど、法要のマナーは自信がない、という方も、多いですよね。
三回忌法要は、亡くなってから2年後の命日に行われる法要です。
この記事では、三回忌法要の服装や小物についてのマナーを、紹介します。
「喪服を着るべき?」
「メイクや持ち物は、どんなことに気をつけたらいい?」
など、三回忌法要の服装に悩んでいる人は、ぜひ、ご覧ください。
Contents
三回忌法要の服装は、喪服? 準喪服? カジュアルはNG?
冒頭で述べたように、三回忌法要は、亡くなってから2年後に行われる法要です。
2年経ったから、きちんとした喪服でなくてもいいのか、はたまた、法要なのだからやっぱり喪服で行くべきなのか、迷ってしまいますよね。
まずは、三回忌法要とは、どんな法要なのか、意味を確認しましよう。
三回忌法要とは
回忌法要は、亡くなったときに行うお葬式を一回忌法要と数えるので、2年後の法要が「三回忌法要」になります。
そして、三回忌法要は、亡くなった人が、あの世で最後の裁きを受ける機会になります。
仏教の十王信仰では、冥界には10人の王がいて、亡くなった人は、初七日から三回忌までの間に、生前の行いについて10回の裁きを受ける、とされています。
お通夜・お葬式のあとも法要を行うのは、裁きのたびごとに仏様に加護をお願いし、亡くなった人の罪状を少しでも軽くしてもらうためです。
ちなみに、昔は三回忌を含めて10回の法要があったのですが、現在は3~4回程度に簡略化されています。
さて、前述のように、三回忌では、10人目の王の裁きが下され、この最後の裁きで、最終的な来世の道が決定します。
つまり、お通夜・お葬式から三回忌までの法要は、基本的にはすべて同じ重みを持っている、ということです。
カジュアルな服装での参列はマナー違反
このように、三回忌法要は大切な法要になりますので、ある程度、大きな規模で行われます。
最近は少し簡略化する傾向もあるようですが、お坊さんにお願いして読経などを行い、終わったあとには参列者全員で会食するという流れが一般的です。
法要の重要度、規模に合わせますので、喪服はお葬式と同じと考えましょう。
そのため、三回忌法要では、正式な準喪服を着用するのが、正しいマナーになります。
ちなみに、喪主や遺族の方は、ひとつ格の高い喪服を着るのがマナー、とされることもありますが、三回忌法要は準喪服でそろえて大丈夫です。
また、地域や宗派によっては、略喪服でもよい、という場合もありますが、一応、三回忌法要は正式な喪服、と考えて、準備をしたほうがよいでしょう。
カジュアル感のある服装は、黒い服でもマナー違反。
お坊さんや、遺族の方に失礼になりますので、三回忌法要はきちんとした喪服を着用しましょう。
準喪服とは、どんな喪服なのか
黒の礼服(ブラックフォーマル)には、喪服として作られているものと、喪服として使えるけれど、本来は喪服ではないものがあります。
「準喪服」は、名前が少しまぎらわしいですが、喪服として作られた、正式な喪服です。
一方、ブラックフォーマルで、弔事にも慶事にも使えるタイプがありますが、これは「準喪服」ではなく、ひとつ格が下がった、「略喪服」になります。
三回忌法要には適していませんので、注意してください。
手持ちの喪服が準喪服がどうか、はっきりしない場合は、生地の色を見ましょう。
一般的な黒色の服よりも、濃くて深い黒色に染めた生地であれば、正式な喪服として作られたものです。
喪服の種類はもうひとつ、いちばん格の高い「正喪服」があります。
こちらは、準喪服よりも高級生地を使っており、喪主や近親者が着るなどの違いがあります。
ただ、準喪服と正喪服は、見た目ではほとんど違いがないため、ここは気にしなくてもよいでしょう。
喪服を含めた、身に着けるものの細かなマナーについては、あとの「三回忌法要の服装マナー」で、詳しく紹介します。
また、親族のみで三回忌法要を執り行う場合は、喪服の格を下げて参列することもあります。
これについては、次のトピックで紹介しますので、ご覧ください。
案内に「平服」と書いてあった! 平服の意味とは?
三回忌法要の案内に、「当日は平服でお越しください」といった文言が書いてあることがあります。
この場合は、「略喪服」を着用しましょう。
「略喪服」というのは、前のトピックでも少しふれましたが、本来は喪服として仕立てられたものではない服を、喪服として着用するものです。
- 慶事用のブラックフォーマル
- 黒や紺、こげ茶など濃い色の生地を使った、スーツ、アンサンブルスーツ、ワンピーススーツ、パンツスーツ
略喪服は、無地のものがよいのですが、目立たなければ多少の柄は入っていてもよい、とされています。
平服と書いてあっても、カジュアル服ではないので気を付けましょう。
前トピックにもありますが、三回忌法要の服装は準喪服がマナー。
しかし、遺族や親族だけで法要を行う場合は、服装を簡略化するケースもあるため、案内に沿った服装で参加しましょう。
三回忌法要の服装・メイク・髪型のマナー【女性編】
三回忌法要のときは、つぎのようなスタイルがマナー。
- 服装……準喪服(案内があれば略喪服)
- メイク……片化粧(ナチュラルメイク)
- 髪型……低めの位置でまとめ髪
洋服のときは、必ず黒いストッキングを着用しましょう。
素足やソックス、または黒以外のストッキングはNGです。ただし、妊婦さんや寒い地域では、タイツでも良いとされているため、不安な人は周囲に相談しておくと良いでしょう。
和装の方は、灰色・茶色・紺色・藍色などの色無地に、三つ紋または一つ紋をつけ、黒い帯をしめます。
足袋は、木綿の白足袋です。
三回忌のメイク・ネイルのマナー
法要のときのメイクは「片化粧」と呼ばれる薄化粧が基本なので、ひかえめなナチュラルメイクにします。
口紅やチーク、アイメイクはつけませんが、つける場合は、目立たない色を薄めにつけます。
濃い色のネイルをしている方は、法要の当日は落とすか、または黒い手袋で隠しましょう。
三回忌の女性の髪型のマナー
髪型は、ひとつに束ねたり、シニヨンにするなど、まとめ髪にします。
まとめる位置は低め。耳たぶのあたりを目安にすると、清楚でひかえめな印象になります。
前髪やおくれ毛が垂れる場合は、ヘアピンやワックスで留めましょう。
ショートヘアの方も、前髪をワックスでなでつけておくと、よりきちんと感が出ます。
三回忌法要の服装マナー【男性編】
男性はブラックスーツを着用します。
ただし、準喪服ですから、女性と同じように、きちんと喪服として作られたブラックスーツを選びましょう。
黒いビジネススーツを流用すると、マナー違反になります。
準喪服のブラックスーツは、これも女性の場合と同様に、生地の色が濃い黒色で、光沢はありません。
また、ややゆとりのあるシルエットになっているのも、特徴です。
スーツの下は白無地のワイシャツと、黒いネクタイを着けます。
シャツはレギュラーカラー、ネクタイはレギュラータイを選びましょう。これがフォーマルなスタイルになります。
ボタンダウンシャツや、ナロータイはカジュアルなアイテムですから、法要の席ではNGです。
靴下は黒無地であればOKです。
座ったときに肌が見えないように、長さだけ注意しておきましょう。
三回忌法要の服装マナー【学生・子ども編】
子どもの喪服は、基本的に制服で参列できます。
「学校で日常的に着ているものを、法要の席で使うのは失礼では?」と心配する声もありますが、制服は正式な礼服として着用してよいのです。
小学生・中学生・高校生は制服があるなら、制服でOKです。
ただし、大学生の方は、制服があっても、大人と同じようなスーツ、アンサンブルを着ましょう。
幼稚園でも、ブレザーのような制服がある場合は、制服を着て参列することができます。
制服がない場合や、制服はあるけれどピンクや水色のスモックを着ている、という場合は、制服ではなく私服を用意します。
暖かい季節はスラックスやスカートに、白いシャツ、ブラウスを合わせた服装でOK。
寒い季節は、上にジャケットやカーディガンを重ねてもかまいません。
スラックスやスカート、羽織物は、黒、紺、ダークグレーなど、黒以外も着ることができます。
赤ちゃんは、喪服は着なくてもかまいません。
ただし、キャラクターのベビー服など、派手なもの、カジュアルすぎるものは避けましよう。
柄のない、淡色のベビー服ならOKです。
アクセサリー・鞄・傘など、三回忌法要に持参する小物マナー
「三回忌法の席では、どんなアクセサリーを着けるべき?」
「髪を束ねるときに使ってよいものは?」
いざとなると、小物、持ち物のマナーは、意外とあやふやなものです。
アクセサリー類と、バッグ、靴など小物類についてのマナーをまとめました。
アクセサリーのマナー
法要の席では、きらきらしたジュエリーやビーズ、貴金属類は着けてはいけません。
着けることができるのは、女性はパールのネックレスと結婚指輪、男性は結婚指輪だけになります。
ネクタイピンやカフスボタン、和服の帯留めも着けないのがマナーです。
ただ、ネクタイが垂れると気になるので、留めておきたい、といった場合は、黒色で光沢のない仕上げのものを使うとよいでしょう。
髪を束ねたり、まとめるときは、黒、紺、茶の髪ゴムを使います。
シュシュはカジュアルアイテムなので、法要の席では使用を避けましょう。
バレッタはOKです。ブラックで、マットな素材のもの、たとえば布製の飾りがついたものだと、目立ちません。
小物、持ち物のマナー
小物などの持ち物も、お葬式のマナーを参考に、選びましょう。
バッグ・靴
バッグと靴は、どちらも黒革にします。
「お葬式・法要の席で革はNG」とされていますが、バッグと靴は例外的に、革素材を使うことができます。
ただし、光沢がない仕上げを選んでください。
また、ストラップや金具、ビーズ、飾り、ブランドロゴなどがついていないことも、大切です。
フォーマルバッグは、大きすぎるとカジュアルになってしまうので、小型のハンドバッグサイズにします。
入りきらない荷物は、サブバッグに入れるとよいでしょう。
黒一色でシンプルな手さげがベストです。
ハンカチ
また、ハンカチは黒一色のタイプが、弔事用です。
単色であれば、レースや刺繍が入ってもかまいません。
以前は、白いハンカチが正式とされていましたが、最近は黒いハンカチを持つ方が増えており、ショップでも「弔事用」として、黒いハンカチが販売されています。
雨が降っているときの、傘の選び方
雨傘は、黒、紺、グレー、深緑など、暗い色であれば使えますが、できれば黒いものを用意したいところです。
雨傘、日傘が兼用になっているものは、雨の日、晴れの日両方使えるので、便利です。
明るい色の傘しかない、用意が間に合わなかった、というときは、透明のビニール傘を使う方法もあります。
マナーとしては少々NGなのですが、明るい色の傘を持って行くよりは、問題がありません。
三回忌法要の喪服を、レンタルできるサービス
「三回忌が近づいているけれど、適した喪服がない……」
「サイズが変わってしまって、手持ちの喪服が着れない」
そんなときはレンタルをしてしまうのがおすすめ。
ネットでレンタルできるサービスだと、場所を問わずにレンタルすることができます。
喪服をレンタルできるサービスで、おすすめなのは「Cariru BLACK FORMAL(カリルブラックフォーマル)」です。
喪服一式のセットレンタルや、数珠・バッグなどの小物単品レンタルもできます。
幅広い年代の女性にぴったりの、ベーシックな喪服や、略式のワンピース、キッズの礼服・喪服も扱っています。
着用する日付が事前にわかっていれば、予約をしておくこともできます。
料金
すべて税込み価格です。
スーツセット | 7,980円~ |
---|---|
バッグ | 1,980円~ |
パンプス | 2,980円~ |
アクセサリー、小物 | 450円~ |
5,000円以上で送料無料
取扱商品
スーツセット、バッグ、袱紗、パンプス、アクセサリー
小物セットあり
レンタル期間
3日~90日
配送
一部地域を除き3日後
4日後の地域
北海道、青森県、秋田県
和歌山県、中国、四国、九州、新潟県佐渡市
兵庫県一部地域(豊岡市、美方郡、養父市、家島町、沼島)
奈良県一部地域(下北山村、十津川村、西吉野町、大塔町)
離島・沖縄の配送は不可
お得な喪服セットあり
実際に借りられるアイテムや、詳しい利用方法については、こちらの記事をご覧ください。
冬の三回忌法要の服装
冬に三回忌法要が行われる場合、気になるのは、まずはコートの選びかたですよね。
コートをはじめ、防寒着全般のマナーを紹介します。
また、そして法要の当日寒かった場合に、マナー違反にならない重ね着についても、確認しましょう。
喪服のマナー
喪服は、冬の法要でも基本的なスタイルは変わりません。
女性の場合
スーツやアンサンブル、ワンピースなどの準喪服を着用します。
パンツスーツは「略喪服」になるため、三回忌では着用できません。
女性は、ベロアやベルベットなど、少し厚手の生地を使った喪服もありますので、そちらを用意してもよいと思います。
厚手のストッキングを履くのも、寒さ対策になります。
ただし、タイツはカジュアルウェアの位置づけなので、法要の席ではNGです。
男性の場合
男性は、ジャケットの下にセーターを重ねてもよいでしょう。
襟や袖口からセーターが見えないように、Vネックがおすすめです。
ちなみに、タートルネックはカジュアルウェアなのでNG。
また、ベストは「おしゃれ着」の性質が強いので、法要では着けないほうが無難です。
子どもの場合
子どもは、冬用の制服を着たり、カーディガン、厚手のジャケットなどを重ねるとよいでしょう。
喪服の上に重ね着したい場合は、黒っぽいカーディガンが適しています。
ただ、重ね着はあまり選択肢がないので、むしろ、防寒対策は、喪服の下に着るようにしたほうが、簡単に調節ができます。
暖かい下着を着たり、服の下にカイロを貼るのもいいですね。
カイロは、お腹周りに貼ると、体を温める効果が高くなります。
靴の選び方
靴は、冬場でも革靴、パンプスが基本になります。
ただ、積雪のある地域は、黒のショートブーツなどでもかまわないでしょう。
とくに、雪道は、歩くうちに靴が濡れてしまうことも多いです。
濡れた足でお寺に上がるのは失礼ですし、体も冷えてしまいますよね。
コート、手袋……防寒着のマナー
コートや手袋、マフラーなどの防寒着は、黒、紺、こげ茶といった、ダーク系の色を着けます。
外套は、入り口ですべて取って入りますが、それでも、明るい色、華やかな色は身に着けないのが、マナーです。
素材は、ウール、綿など光沢のないものが適しています。
革素材やファー(フェイクファーもNGです)など、殺生を連想させる素材は、身に着けてはいけません。
そのほかには、金具や金ボタン、フード、飾りのついたものも、避けましょう。
ちなみに、コートは、三回忌法要であっても、わざわざ礼装用のコートを用意する必要はありません。
色、素材に気をつければ、普段使いのコートを流用してもかまいません。
ちなみに、法要の間は、寒くてもコートやマフラー、手袋などを着けて参列しないようにしましょう。
これらは外套、外で着る衣類という位置づけなので、あらたまった席で着るのはマナーとしてNGなのです。
肌寒いときは、膝かけや、前述のように、さりげなく羽織れるカーディガンを用意しておくのがおすすめです。
こちらはマナー違反ではありません。
色は黒、紺など暗い色にしましょう。
夏の三回忌法要の服装
準喪服は、肌を露出させないのがマナー。
袖は長袖または七分袖、スカート丈は膝下で、黒いストッキングを着ける、というのが基本ですが、こうしたきちっとした喪服では、いかにも暑そうですよね。
夏の三回忌法要では、薄手に仕立てた、「夏用準喪服」があります。
夏用の準喪服は、裏地を取ってあったり、袖などをシースルー生地にするなどして、風通しよく、涼しく着れるようにくふうしています。
肌を露出するのはNGですが、透ける素材はOK
男性も、ジャケットの背中部分の生地が薄く作られた、夏用準喪服があります。
このほか、軽い生地でできた夏用ネクタイを着けたり、ワイシャツを半袖にすると、暑さはかなり軽減できると思います。
本来は、喪服を着るときは、ワイシャツは長袖がマナーなのですが、近年は半袖でもOK、と変化してきています。
半袖シャツはOKですが、法要の間はジャケットは脱がないのがマナーになっています。
一方、子どもは半袖シャツだけでもかまいません。
黒や紺のスラックス、スカートを合わせます。
暑い日は半ズボンや短めのスカートなどにして、体温調節しやすくしてもよいでしょう。
日光をさえぎるための日傘や、扇子は、持ち込みOKです。
黒基調のものを使いましょう。
どちらも「弔事用」が、ネットショップなどで手に入ります。
まとめ
三回忌法要は、「お通夜・お葬式と同じ服装」で参列します。
この大きなマナーをおさえておけば、三回忌法要の服装は、だいたい、大丈夫です。
準喪服はもともと、マナーに沿って仕立ててあるので、準喪服を着ておけば、大きなマナー違反はありません。
ただ、雨の日、暑い日、寒い日など、シチュエーションが変わると、いろいろと注意するポイントが出てきます。
三回忌法要の案内がきたら、こちらの記事を参考に、マナーの確認をしてくださいね。
ライター紹介
働く女性や、子育てで時間がないママの強い味方「ファッションレンタル」。結婚式やパーティーの気分を盛り上げる「ドレスレンタル」。PETAL(ペタル)編集部では、さまざまな洋服レンタルの紹介と、洋服の悩みを解決するTIPSをお届けします!