やわらかな風合いとやさしい色味のニットは、秋冬シーズンの人気アイテム。
毎年、新しいニットを買うのが楽しみ、という方も多いですよね。
ただ、ニットで悩むのがその下に着るインナー。
ニットは素肌に着ると、ちくちくしたり、透けてしまいがち。
インナーはニットの着心地も左右します。
また、ニットの下にきっちりとブラウスを着たり、ライトにTシャツや下着だけを着たり、インナーを変えるだけでおしゃれの幅も広がります。
いろいろ合わせられるので、どう着ようか悩んでしまいますよね。
この記事では、レディースのニットにおすすめのインナーや選び方を紹介。
寒い時期のおしゃれが、さらに楽しくなるきっかけになれば幸いです。
Contents
素肌の上に直接ニットを着るのはあり?なし?
ところで、本題に入る前に、ニットの下に着るインナーの需要って、どのくらいあるのでしょうか?
アンケートによると、ニットの下はインナーを着ない、または薄い下着だけしか着ないという方は、けっこう多いようです。
ニットはどうしても厚着になってしまいますから、できるだけスリムに見せたい、シルエットを崩したくないからと、インナーを避けるようですね。
でも一方で、「素肌にニットを着ると、肌ざわりがちょっと……」という声も。
ウールのチクチク感や、厚手ニットのごわごわ感を気にする方もまた、多いですね。
そのため、ニットを買うときに手ざわりや素材を慎重に選んだり、ボディクリームで肌を保護したり、そして下にインナーを1枚着たりと、いろいろと対策をしているようです。
「ファッション的には素肌にニットを着たい」、でも、「着ごこち的にはインナーを着たい」というのが、多くの方の本音に近いような気がしますね。
透け対策に!白のニットのインナーは何色を着る?
着回しに便利な白ニットは、1枚持っておきたいアイテム。
でも、着たときに、インナーが透けてしまうことがありませんか?
ニットを通して、下に着たインナーの形がくっきり透けて見えてしまうと、ちょっと野暮ったいですよね。
「透け見え」を防ぐインナーの選び方を紹介します。
おすすめの色はベージュやピンク
インナーの色と肌の色との間に、濃淡のコントラストが出てしまうと、インナーの形が透けやすくなります。
そこで、ベージュやスモークピンク、薄いブラウンなど、肌の色に近い色を選ぶと、肌とインナーとの境目がぼやけ、インナーの「透け」がわかりづらくなります。
正確にいえば、インナーが「透けないようにする」のではなく、「透けていることをわかりづらくする」わけですね。
なお、インナーの色はやや暗めを選ぶのがポイント。
ニットを通すと肌の色はやや濃く見えるので、インナーの色を暗めにすると、ちょうど同じくらいのトーンになります。
白は避ける
透け防止に白のインナーを選ぶ方も多いですが、これは意外に透けが目立ちます。
白に白を合わせると一見、保護色になって目立ちづらそうですが、肌色との間にはコントラストが出てしまうため、インナーのラインがわかりやすいです。
インナーの形をくふうして透けを防ぐ
でも、そもそもインナーの透け見えがわかってしまうのは、ニットとインナーの形が違うから。
ニットとインナーの形を合わせると、たとえ透けていてもわかりづらくなります。
たとえば、丸首やVネックの長袖ニットを着るときは、インナーも、丸首やVネックの長袖にすればOK。
ビビッドカラーや柄物のインナーを避け、ベーシックカラーを選べば、透け防止率はかなり上がりますよ。
次は、ヒートテックやキャミソールなど、おすすめのインナーや、着る際のポイントを紹介します。
ヒートテック
寒い季節の定番アイテム、ヒートテック。
薄いのに暖かく、しかも体にフィットするデザインなので、重ね着してもシルエットに響きづらいというメリットもあります。
冬は手放せないという方も、多いかもしれませんね。
ちなみに、以前は、こういう体に密着する防寒下着は「ババシャツ」と呼ばれて、敬遠されていました。
ダサいインナーを着るよりはと、寒さを我慢していた方も多いようです。
でも、ヒートテックの登場で、防寒対策とおしゃれが両立できるようになりました。
ヒートテックは3タイプ
現在、ヒートテックは、3つのタイプが販売されています。
ヒートテック | ベーシックタイプ。 薄手なので、細身のニットのインナーとして最適。 |
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エクストラウォーム | 裏起毛付きで温か。 冷え込みの厳しい日や、長時間屋外にいる日に。 |
ウルトラウォーム | ワッフル編みと裏起毛で、温かさはヒートテックの2.25倍。 真冬日やウィンタースポーツ時に最適。厚手なので1枚で着てもOK。 |
ヒートテック、エクストラウォームは、「クルーネック」、「Vネック」、「タートルネック」の3種類、ウルトラウォームは「クルーネック」、「タートルネック」の2種類があります。
ニットとのコーデ、その日の気温、活動内容などに合わせて、選ぶとよいですね。
ヒートテックが薄くても温かいわけは?
ヒートテックは、ユニクロが東レと共同開発した生地素材で、水分と反応して発熱する性質を持っています。
わたしたちの肌表面からは、冬でも汗が蒸発しています。
その水分がヒートテックの生地に吸収され、蒸気が水に戻ると、わずかな熱が生まれます。
これは、「凝固熱」という現象で、水が蒸発するときに熱を奪う「気化熱」と、ちょうど逆の反応になります。
熱といっても高熱ではないので、イメージはしづらいかもしれませんが、ヒートテックが薄くても温かいのは、こうした熱反応によるものです。
そのため、ヒートテックは、できるだけ素肌にふれるように、直接着るのがポイントです。
ただし、ヒートテックの繊維が、飽和状態まで吸湿すると、発熱できなくなります。
汗ばんだら着替えましょう。
ちなみにヒートテックの素材は、レーヨン・アクリルをメインに、ポリウレタンやポリエステルとの混紡です。
キャミソール・タンクトップ
キャミソールやタンクトップは、Vネックのインナーとして重宝するアイテムです。
Tシャツよりも襟が深く開いているので、Vネックからインナーがのぞく心配がありません。
ちなみに、タンクトップとキャミソールの違いですが、いわゆる「ランニングシャツ」型のノースリーブが、タンクトップです。
そして、タンクトップの肩部分がひも状になったタイプが、キャミソールになります。
キャミソールの方が線が細いイメージになるので、女性向けですね。
オフショルダーニットや薄手のニットにも
オフショルダーニットや薄手のニットとも、タンクトップ、キャミソールは相性のよいアイテムです。
オフショルダーニットは、大きく開いた襟から、肩を露出させて着るデザイン。
必然的に「インナーを見せる」コーデになります。
インナーとニットのカラーコーデを意識したい方は、タンクトップ、さりげなく着たい方は、キャミソールがよいでしょう。
また、薄手ニットには、カップ付きキャミソールがおすすめです。
特に、体にフィットするデザインの薄手ニットだと、ニットやインナーを通して、下着のホックが浮き出してしまうことがありますよね。
カップ付きキャミソールは、下着を着ける必要がないので、ニットのラインを崩さず、すっきりと着ることができます。
さてここまでは、「インナーを感じさせない着方」を紹介してきましたが、このあとのトピックでは、インナーを見せて着る「レイヤードコーデ」を紹介します。
見せて着るならシャツやブラウスをレイヤード
ニットを使ったレイヤードコーデは、シャツやブラウスとの組み合わせがいちばん人気です。
ニットから、シャツの襟やすそを見せてニュアンスをつけることもできますし、シャツの上にざっくりしたニットを重ねた「見せコーデ」もすてきです。
持っておきたい万能インナー、白シャツ
白いシャツは、ニットとの相性は抜群。
ベーシックカラーの白は、色や柄に関係なくどんなニットにも合わせられますので、白いシャツが1枚あれば、すべてのニットのレイヤードコーデに使えるといっても、過言ではありません。
ニットは、色や風合いが全体にソフトになりやすいので、きりっとした白を差し色に入れると、コーデに、シャープさやアクセント、明るさをつけ加えることができます。
カラーコーデを考えてシャツを選んでみる
白以外のシャツやブラウスを合わせるときは、ニットとのカラーコーデを意識して考えて選ぶとよいでしょう。
たとえば、ダークブラウンに薄茶を合わせたり、薄いベージュと濃いベージュを合わせたりといった、同系色どうしの組み合わせ。
または逆に、ベージュやクリーム色に濃いボルドーを重ねるような、コントラストの強い組み合わせなど。
チャック柄やストライプ柄のシャツを合わせると、無地のカラーシャツとはまた違った印象を作ることができます。
ざっくりしたニットは柄のあるインナーを
透かし編みのように編み目がざっくりとしたニットは、「透け見せ」を意識して、インナーを選んでみましょう。
ニットを通すとデザインがぼやけるので、色や柄がはっきりしたものがおすすめ。
コントラストのはっきりしたボーダー、全体に花柄をあしらった総柄シャツなど。
サマーニットであれば、前面にプリント柄のついたTシャツもおしゃれです。
コーデに自信がない方は、ニットと同系色、または白・黒のようなベーシックカラーのインナーを合わせると、よくまとまります。
まとめ
ヒートテックからキャミソール、カラーシャツ……。
いろいろなインナーを紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
薄手のタイプをさりげなく着たり、またはインナーをしっかりと見せてコーデを作ったり。
同じニットでも、インナーを変えることで、表情やニュアンスを変えることができます。
あらためて、インナーはただ下に着るだけのものではなく、ニットの一部、といってもいいような気がします。
インナーのコーデをくふうすると、オシャレの幅も広がりそうですね。